本課題の目標は、「電子スイッチ(トランジスタ)の使い方」を習得することです。
全課題は以下を参照ください。
スイッチはコンピュータが操作することは出来ません。
よって、コンピュータが操作できる電子スイッチを使います。
電子スイッチのことを「トランジスタ」と呼びます。
接続図
前回の課題の「モータを回転させよう」の回路を改造し、今回の課題を進めます。
前回の課題は以下のリンクを参照ください。
前回の回路が以下になります。
スイッチを取り外し、電子スイッチを取り付けます。
今回はPNPトランジスタとNPNトランジスタの両方を使います。
PNPトランジスタ:8550
NPNトランジスタ:8050
異なる電圧を操作するためには、このように2つのトランジスタを用いる必要があります。
B(ベース)に1kΩの抵抗を付け、gpio4に繋げます。
外部回路とGNDを共通にします。
gpioからは直接にモータを制御できません。
コンピュータからは大きな電流を流すことができないからです。
作成する回路が以下になります。
プログラムの実装
モータを5秒間回転させ、停止させるプログラムを作成します。
モータはgpio4をhighで動作して、lowで停止します。
プログラムは省略します。できない人はいないと思います。
NPNトランジスタはHighでONし、LowでOFFします。
PNPトランジスタはLowでONし、オープンでOFFします。
PNPトランジスタのみで使うことあまりありません。
PNPトランジスタのベースの抵抗を引き抜いても、停止することを試してください。
より詳細を知りたい方は以下の賞を参照ください。
次回の課題
次回の課題は、「扇風機を作ろう」です。
トランジスタの使い方
ここから先は高専生以上を対象とします。
NPNトランジスタとPNPトランジスタの使い方の注意点があります。
・NPNトランジスタはhiでONして、lowでOFFします。
・PNPトランジスタはlowでONして、オープンでOFFします。
オープンはどこにも接続されていない状態で、専門用語ではHiZ(ハイインピーダンス状態)と言います。
本質的な理解は次の章を参照ください。
Buzzerは何らかの抵抗を含む負荷と考えてください。
トランジスタがONする条件
トランジスタをONする条件を理解する方法を説明します。
ご存知の通り、ダイオードはPN接合です。PからNへ電圧が掛かるとONします。
トランジスタも同様です。
PからNへ電圧が掛かるとONします。
つまり、下図の→の方向に電位差が生じるとONします。
NPNトランジスタはベースに電圧を印加すると、GNDと電位差が発生し、ONします。
PNPトランジスタはベースの電圧を下げるとエミッタと電位差が発生し、ONします。
ここで、PNPトランジスタのベース電圧を考えましょう。
エミッタとベース間に電位差がないとOFFするのですが、ベースの電圧を何Vにすれば良いのでしょうか?
電位差が発生しないこと=電位差を合わせることではありません。
電位差を合わせるのではなく、電位差が発生しない状態、つまり、HiZ状態にします。
以下のようにすると、NPNトランジスタをOFFにするとPNPトランジスタのベースはHiZ状態になります。
エミッタの電圧をベースより高くできることがPNPトランジスタの利点です。
トランジスタはPN接合のP側の電圧が出力されるので、NPNトランジスタは、ベースの電圧が出力されるので、電圧を変えることができません。
トランジスタは電流を増幅させる電子部品ですが、電圧も考えて部品を選びましょう。
もっと詳しく知りたい方は以下の本がオススメです。
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